看護に活かす呼吸のフィジカルアセスメント|肺音・痰・呼吸の分類

ナースちゃん

皆さん、こんにちは。

急性期看護に奮闘中のナースちゃんだよ!!

今日は、臨床看護において急変する前のサインでもある呼吸のフィジカルアセスメントについて一緒に学習したいと思います。

うっそ、やったー!!

呼吸の異常は急変前の徴候だとはよく聞くけど、実際にどこを注意してみれば良いのか知りたかったんだよな!!

うさぎちゃん

ナースちゃん

そうでしょ!!

心停止した患者の70%は心停止前の8時間以内に、呼吸器症状の増悪が見られるの。

一緒にポイントを押さえながら、急変を防げるような看護が出来るように呼吸のフィジカルアセスメントの基本を押さえよう!

フィジカルアセスメントとは、全身状態を的確・系統的に把握し査定する為に、健康歴の問診も含めて視診・触診・打診・聴診の技術(フィジカルイグザミネーション)を用いて身体状態の評価を行うことです。

患者さんの状態によって異なる呼吸器症状の評価は、アセスメント能力が熟練するに至るまでは自信がない事や判断に困った事が誰しもあると思います。

この記事では、看護に活用できる呼吸のフィジカルアセスメントを理解するだけでなく、呼吸の異常を理解する事で急変のサインを見逃さない事を目標にします。

呼吸のフィジカルアセスメント

呼吸のフィジカルアセスメント

呼吸とは

細胞が働くために欠かせない酸素を体内に取り込み、体内で代謝した二酸化炭素を交換(ガス交換)し、二酸化炭素を体外に排出する事です。

肺におけるガス交換は、換気(吸気:息を吸い込み酸素を取り込み、呼気:息を吐き出す事で二酸化炭素吐き出す)、拡散(ガスの分圧差によって酸素と二酸化炭素が移動する過程)、肺循環(右心室→肺動脈→肺胞→の毛細血管でのガス交換→肺静脈→左心房)という過程を経ます。

呼吸機能の重要な要素は、1、呼吸の調節機構2、換気3、ガス交換とガスの運搬4、肺の循環と血流の4つです。

肺循環には血液を送り出す心臓のポンプ機能が不可欠です。

呼吸が意識する事なく一定のリズムで繰り返されるのは、呼吸中枢(延髄と橋)が周期的に興奮し呼吸筋を刺激しているからである。

外呼吸

肺胞と血液の間でのガス交換

空気から酸素を取り込み、二酸化炭素を体外へ排出することをいいます。

内呼吸

組織細胞と血液の間でのガス交換

末梢の毛細血管と体組織の間で、酸素と二酸化炭素が交換されることをいいます。

呼吸のアセスメント

問診

問診は緊急度の判断や原因を推測する上で重要です。

症状がある場合は、具体的に質問します。

酸素運搬能の低下により呼吸苦などが生じる場合もある為、既往歴では循環に関する情報も大切です。

患者の主観的情報と客観的情報が一致していない事もある為、両方を合わせて収集することが大切です。

呼吸数とリズム

正常

成人:12〜18回/分、小児:20〜30回/分、新生児:30〜50回/分
呼吸数と深さの異常

頻呼吸:深さは変わらないが呼吸数が増加する25回以上

徐呼吸:深さは変わらないが呼吸数が減少する12回以下

多呼吸:呼吸数・深さともに増加

少呼吸:呼吸数・深さともに減少

過呼吸:呼吸数は変わらないが深さが増加する

無呼吸:安静呼気位で呼吸が一時的に停止した状態

リズム異常

・クスマウル大呼吸

・チェーンストークス呼吸

・ビオー呼吸

呼吸の分類

痰のアセスメント

気管支の粘膜からは、気管支を守るためにたえず分泌液が出ていて、知らないうちに食道へ飲み込まれています。

痰は吸いこんだ空気中の異物が気道の粘液に付着したものです。

気道や肺から1日60〜100mlの分泌物が産生されますが、線毛などの動きにより運搬途中で吸収されたり蒸発するので、咽頭に到達するのはわずか10ml程度になります。

咽頭に達した分泌物は無意識のうちに飲み込まれる為、通常はほとんど痰を体外へ出す事はありません。

その為、痰の増加は感染や炎症による分泌物の増加、分泌物の性状、粘り気の変化、線毛運動の障害、呼吸運動の減弱による気道内気流低下などの原因が考えられます。

炎症で分泌液が増えると、一部が食道から気管支の中に入り呼吸を妨げるため、咳によって口の中に出されます。

それが痰ですが、湿った咳とは痰の出る咳で、気管支の炎症によって分泌液が増えている証拠です。

痰の正常や色調から、呼吸器系の障害の有無や呼吸・循環器系で起きている病態を憶測する事が出来ます。

痰の性状による分類
分類 性状 病態
泡沫性痰    泡沫状           ・肺循環のうっ血による漏出液
漿液性痰    サラサラ、透明で水様    ・肺、気管支毛細管の透過性亢進
粘液性痰    半透明・白色粘稠性     ・気管支分腺で肺細胞からの粘液分泌亢進
粘液膿性痰   粘液性           ・粘液分泌亢進に感染が加わる
膿性痰     膿性            ・細菌、真菌感染による
血痰      血性            ・起動・肺からの出血
痰の性状・色調と病態
色調       病態
白色透明     ・細菌以外の感染の可能性や、気管支炎、気管支喘息
黄色       ・主に気道の感染
         ・感染症以外では、慢性気管支炎や気管支喘息
緑色・緑黄色   ・緑膿菌などの感染症や蓄膿症
褐色       ・気管支拡張症、肺結核、肺梗塞、肺がん
錆色       ・感染による肺炎(特に肺炎球菌肺炎)
         ・肺化膿症、心不全、肺うっ血
ピンク色     ・肺うっ血や心不全
鮮紅色      ・喀血         
         ・肺結核、肺がん、気管支拡張症
※血性痰は、上記では褐色、錆色、ピンク色、鮮紅色の痰が含まれる。

肺音(呼吸音・副雑音)のアセスメント

肺副雑音

聴診の方法はこちら『フィジカルイグザミネーション【問診・視診・触診・打診・聴診】臨床看護技術』の記事も参考にして下さい。

聴診は、耳で聴いた情報から身体の状態を捉えます。耳で得る事が出来る呼吸状態の方法には、聴診器を用いて聴いた情報と、直接耳で聴ける「咳嗽」という情報があります。

聴診器は、当てた部位により呼吸音の聞こえ方が異なります。

聴診は気管支や肺葉の位置を理解した上で、頸部の気道上→上肺野→中肺→下肺野へと左右交互に聴診する。

交互左右に吸気と呼気の両方を聴取し、正常か田舎、左右差はないか、吸気・呼気の割合、音の高さ、大きさ、性質、副雑音の有無、連続性か断続正かなどを評価します。

人体は平面ではなく、立体である為、仰臥位の姿勢で前面を聴取するだけでなく、背面や側面も聴取する。

ここで注意したいのが、下葉の呼吸音は全面からは聴取しても聞き取れない。

下葉呼吸音は、背面(背中)から聴取する。

また、呼吸音を聴取する時には、肺の位置だけでなく、空気の通り道である上気道も聴取しましょう。

咳嗽は、その性質や持続時間によって分類する事が出来ます。

原因疾患により違いがあり、主観的・客観的情報も重要です。

咳嗽の種類

乾性咳嗽 ・空咳、痰を伴わない咳 

湿性咳嗽 ・痰を伴う湿った咳

犬吠様咳嗽 ・犬が吠える様にケンケンと聞こえる咳

喘鳴    ・ゼーゼー、ヒューヒューという狭窄音

呼吸の異常は急変のサイン

呼吸の異常、特に呼吸回数の異常は急変のサインと言われています。

・心停止した患者の70%は心停止前の8時間以内に呼吸器症状の増悪所見を呈している。

・敗血症、心不全、肺塞栓による死において、呼吸数が増加してもSPO2は維持されており、呼吸数の増加はSPO2の低下よりも早く認められる。

この事からも、重症化(危険な徴候:キラーシンプトム)前にキャッチできるサインは呼吸回数であるとされています。

その為、呼吸のアセスメントを正確に行い、患者さんの苦痛や異常を早期に発見し、対処出来る看護師になる様日頃から呼吸のアセスメント力を磨いていきましょう。

 

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